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PHPの脆弱性が多い?セキュリティ対策方法について解説

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PHPの脆弱性が多い?セキュリティ対策方法について解説

PHPは広く使われているプログラミング言語ですが、脆弱性が多いという懸念点があります。脆弱性が多いということは、攻撃者に悪用される可能性が高く、セキュリティ被害が生じやすいのです。

企業のシステムをサイバー攻撃から守るためにPHPにおける脆弱性をしっかり対策する必要があります。

この記事では、PHPの脆弱性が発生しやすい場所や効果的な対策方法について詳しく解説します。

PHPの脆弱性が潜伏する場所

PHPは、WebサイトやWebアプリケーションの開発に広く使われるプログラミング言語です。

動的Webページの生成に特化しており、初心者にも扱いやすいのがPHPの特徴です。また、データベース操作との親和性が高いので、WordPressを含めたコンテンツ管理システム(CMS)でもよく利用されます。

しかし、PHPの普及と同時に、その脆弱性の多さも指摘されています。ここでは、PHPの脆弱性が潜伏する主な3つの場所について紹介します。

PHP本体

まずはPHPの本体に潜む脆弱性です。コア部分だけでなく、150を超える拡張モジュールでも多くの脆弱性が報告されています。

例えば、PHP 8.0が公開された2020年11月から2024年6月までの約3.5年間を見ても、CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)番号が割り当てられた脆弱性だけで60件以上が報告されています。

脆弱性の多さゆえPHP開発チームからも、最新版のPHPへのアップグレードを強く推奨しています。PHPの脆弱性から企業のWebサイトやWebシステムを守るために、PHPの最新情報を積極的に収集し最新バージョンに保つ必要があります。

PHPのフレームワークやCMS

本体だけでなく、PHPを使用したフレームワークやCMS(コンテンツマネジメントシステム)にも脆弱性がたくさん存在します。

PHPフレームワークは、PHP開発をより簡単にできるように開発された、Webアプリケーション開発の土台となるツールです。代表的なPHPフレームワークとして、LaravelやSymfony、CakePHP、CodeIgniter、Zend Frameworkなどがあります。

PHPフレームワークを利用することで、PHP開発における基本的な作業の繰り返しが不要になったりするメリットがありますが、フレームワークに潜む脆弱性によって開発したWebアプリケーションに影響を与える恐れがあります。

フレームワークだけにとどまらず、WordPressやJoomla!などのPHPを使用したCMSにも脆弱性が潜む可能性があります。その中でも特にWordPressにおける脆弱性が非常に多く、注意が必要です。

IPAが運営しているJVN(Japan Vulnerability Notes)の脆弱性レポートによると、2023年の1年間に報告されたWordPressと関連するプラグインの脆弱性が合計3,965件でさらに緊急とされている脆弱性は229もありました。

脆弱性による影響を抑えるために開発に利用しているPHPフレームワークやCMSをすべて把握して、最新の脆弱性情報を積極的に収集し対策を講じる必要があります。

PHPで独自に実装したコード

自由度が高いゆえにPHPで独自のコードを入力して実行することができます。ただし、関数の使い方のミス1つで独自で実装したコードにSQLインジェクションやクロスサイトスクリプティング(XSS)を招く脆弱性を作ってしまう可能性があります。

独自に実装したコードに脆弱性を作らないために、セキュアコーディングを実施することが重要です。セキュアコーディングとは、サイバー攻撃に備えた防御的なコードを書くことです。

実はPHPのマニュアルには「セキュリティ」という章があります。その内容をしっかり把握して、安全性の高いコードを書きましょう!

さらに、脆弱性診断を定期的に行うことで、実装したコードに潜む脆弱性を早期に発見し迅速に対策することをおすすめします。

PHPの脆弱性への対策方法

PHPの脆弱性が多いことから、PHPで構築したWebアプリケーションをサイバー攻撃から守るために適切なセキュリティ対策が必要不可欠です。ここでは、PHPの脆弱性に対処するための3つの方法を紹介します。

最新版のPHPを維持する

新しいバージョンのPHPには大小さまざまな変更やセキュリティ上の問題や設定の不備、システム全体の安定性に関わる問題の修正などが含まれているので、新バージョンがリリースされたらすぐにアップデートするのがおすすめです。

また、旧バージョンのサポートは、新バージョンがリリースされてからの2年後に終了するのが基本です。サポート期間が終わってしまうと新しい脆弱性への対策や更新がされなくなるため、旧バージョンの継続利用によって危険性が増してしまいます。

そのため、新バージョンのPHPがリリースされたら、アップデートの計画をすぐに立てることをおすすめします。サポート期間が終了するまでに更新を完了するよう進めましょう!

PHPの脆弱性情報を積極的に収集する

PHPの新バージョンを待つだけでなく、使用しているPHPライブラリとそのバージョンを正確に把握し、新たに公表される脆弱性情報を常にチェックし続けることが重要です。

脆弱性情報を効果的に収集するために、以下のような信頼性の高い情報源を活用することをおすすめします。

  • IPA(情報処理推進機構
  • JPCERT/CC(一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター)
  • JVN iPedia(日本脆弱性情報データベース)
  • アメリカの国家脆弱性データベース(NVD:National Vulnerability Database)
  • CERT/CC(Vulnerability Notes Database)

特に、海外のデータベースを活用することで、より最新の脆弱性情報を迅速に入手できるため、国内外の情報源を組み合わせて利用することで、脆弱性情報を包括的に収集できます。

脆弱性の影響度を評価し修正する

新しい脆弱性情報を収集したあと、その情報に基づいて修正を行う必要があります。すべての脆弱性が自社のシステムに影響するわけではないので、効率的なセキュリティ対策を行うためには、修正の優先順位を付けて順番に対処していくことが重要です。

修正の優先順位を付ける際に、CVSS(Common Vulnerability Scoring System、共通脆弱性評価システム)スコアを参照することがおすすめです。CVSSスコアは各脆弱性の影響度を評価し、脆弱性の深刻度を数値化したものです。スコアが高いほど脆弱性の深刻さが高いので、優先的に対処したほうが良いでしょう。

PHPの脆弱性対策を楽にする「SIDfm」

PHPの脆弱性は数が多く、また英語で公開される情報が多いため、脆弱性情報を網羅的に収集することが非常に困難です。

脆弱性情報を効率的に収集したいなら、脆弱性情報収集・管理ツール「SIDfm」の活用がおすすめです。

SIDfmを導入することで、PHP関連の脆弱性をはじめ、自社のシステムやネットワークに関連する脆弱性情報を自動的に収集することができます。脆弱性情報は、脆弱性に詳しいセキュリティアナリストが独自の知見を加えて日本語で解説した情報が提供されるので、自分自身で英語の情報を翻訳する必要はありません。

さらに、発見した脆弱性の自社の環境への影響度も自動的に評価され適切な対処方法が提示されます。SIDfmの内容に沿って判断し対処できるので、脆弱性収集・管理の工数を大幅に削減することができます。

SIDfmについて詳しくはこちらの資料をダウンロードしてください。

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